病院からのお知らせ

夏に気をつけたい病気「痛風」 ~おじさんだけの病気じゃないの?~

2017年08月04日
浦安高柳病院スタッフ



アイタタタタタタ・・・!



あらあら、今日はどうしたんですか?
そんなに大きな声を出して。



あ、先生見てください。
朝起きたら親指の付け根が赤く腫れちゃって・・・



それにものすごく痛くて、やっとの思いで病院に来たんですよぉ・・・



あぁこれは・・・足の親指が急に腫れ上がり、激しい痛みをおこす痛風発作の典型的な症状ですね。



つ、痛風?でも痛風って中高年のおじさんがかかる病気で、女性はめったにかからないって聞いたような??



最近では食生活や運動不足など生活習慣の変化もあり、女性や若い世代でも痛風にかかる人が増えているんです。



更にこの痛風、夏の暑い時期に最も患者数が増えると言われているんですよ。



えぇーそうなんですか。
でもどうして夏に患者さんが増えるんですか?



では、少し長くなりますが痛風について詳しくお話をしましょうか。


~痛風とは?~
痛風とは血液中の尿酸が多くなりすぎて関節炎を起こす病気です。
足の親指が急に腫れ上がり、激しい痛みをおこす痛風発作が典型的な症状で、プリン体を多く含む食品を摂りすぎることが原因のひとつとされています。少し前まで痛風は、中高年の男性がかかる「おじさんの持病」というイメージが強かったと思いますが、最近では食生活の変化などにより、女性や若い世代の患者も増えています。


~なぜ夏に痛風の患者は増えるのか~
夏の気温上昇に伴う多量の発汗により体内の水分は汗とともに失われてしまうのですが、その分、尿量が減少してしまい尿酸が体外に排出されにくくなってしまいます。そして喉の渇きや体の水分不足を補う為、プリン体を多く含むビールや食材を摂ると、体内の尿酸値はさらに上昇します。このように発汗⇒水分不足⇒プリン体摂取⇒発汗を繰り返す事で体内の尿酸値が増加しやすくなり、夏に痛風を発症するひとが増えているのです。


~本当に怖いのは痛風発作ではない?~
体内の尿酸は血液検査で調べる事ができ、尿酸値が7.0mg/dl以上の場合、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症は高い確率で腎障害、高血圧、高脂血症などと合併し、腎不全や心筋梗塞、脳血管障害など生命にかかわる重篤な症状を起こす危険性がある病気です。ところが、会社などで行なわれる健診には尿酸の検査が含まれていないことが多く、痛風発作が起きてから初めて自分が高尿酸血症だったことに気づく人も多いようです。

高尿酸血症は、自覚症状がないからといって放っておくと上記のような重篤な病気を引き起こすので注意が必要です。他の生活習慣病と同じように食生活の改善、適度な運動、飲酒は控え目にといったことを普段から意識しましょう。
すでに尿酸値が高い方や痛風発作を繰り返しているような方は、早めに医師の診察を受け、尿酸値を下げる薬を服用するなど適切な治療を始めることが大切です。また、治療中の血液検査で一時的に尿酸値が下がると通院をやめてしまう方も多いのですが、服薬をやめるとすぐに高尿酸血症の状態に戻ってしまいます。自分の判断で通院をやめたり薬の量を減らしたりせず、根気よく医師と二人三脚で治療を進めていただければと思います。